このページでは、本業以外の収益源を確保し、企業の倒産リスクや業績悪化を回避するための「戦略的なフランチャイズ活用」について解説しています。
単一事業に依存するリスクを脱却し、フランチャイズという完成されたシステムを自社の「第2、第3の柱」として取り入れるためのノウハウが学べる内容です。
リスク分散とは投資や事業において、あらかじめ事業に関連した様々なリスクを想定した上で、主となる事業や収入源とは別に事業や収入源などを確保しておく戦略的行動を指しています。
これにより、例えば主となる事業の収益性が低下した場合でも、副業によって得られた収益分でマイナスを相殺し、企業としての破綻や倒産を回避するといったことが可能となります。
法人がフランチャイズに加盟して事業展開を行う法人フランチャイズも、ある種のリスク分散として機能させることが可能です。
法人がフランチャイズへ加盟して事業の複数展開や多角経営を目指した場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか。ここでは法人フランチャイズによって事業の多角化を目指す具体的な方法として「同業種のフランチャイズ加盟」と「異業種のフランチャイズ加盟」の大きく2パターンを紹介しますので、参考にしてください。
同業種や近接する業種で法人フランチャイズを利用した場合、ある意味において最も信頼できる企業同盟や他企業との協力関係を構築できるといった強みがあります。
またすでに自社の事業によって蓄積してきた技術やノウハウ、資産などを新たなフランチャイズ経営においても活かしていくことで、より効果的な事業運営を目指せるかも知れません。
近い分野の法人フランチャイズによってシナジー効果を追及し、本来の事業の成長も目指せることは重要です。
同業種や近似した業種で法人フランチャイズや多角経営を行うと、その業種へクリーンヒットするトラブルやリスクが発生した際に、元の事業も法人フランチャイズもまとめて経営悪化してしまうおそれがあるでしょう。そのため、あえて全く性質の違う異業種で法人フランチャイズをスタートさせ、リスク分散を前提とした多角経営を行うことにも意味があります。
また異業種による多角化を行いつつも、企業間の連携や事業的な協力体制を検討することは可能です。
法人があえてフランチャイズへ加盟して多角経営を行う場合、基本的には既存事業の弱点やリスクを補うためのリスク分散を重視しているケースが少なくありません。
そもそも同じ業種や業態で新しく起業する場合、手数料や加盟料が必要なフランチャイズに頼る必要もありません。言い換えれば、未経験で事業ノウハウに乏しい異業種へ参入してリスク分散をするからこそ、法人フランチャイズの意義を考えやすくなります。
既存事業とは異なる業種であれ類似する業種であれ、フランチャイズへ加盟して新しい店舗や事業所を展開することで、会社として収入源を複数持てることが重要です。
これにより既存事業の経営が悪化しても、フランチャイズが順調であればマイナスを補填して事業安定性を維持できるチャンスが広がります。
またフランチャイズ本部の事業ノウハウやオペレーションを自社の既存事業へ取り入れ、経営基盤を強化できる点も重要です。
フランチャイズによって複数の店舗や事業を展開することで、多角経営の規模を効率的に拡大していくことも可能です。
全ての店舗や事業所などを自己資本のみで開業・運営する場合、その数に比例してイニシャルコストやランニングコストがかかりますが、店舗や土地などを用意してくれるフランチャイズ形態の場合、イニシャルコストを抑えつつ多角経営を広げられるかも知れません。
フランチャイズ契約において「競業避止義務」が課せられることは珍しくありません。
競業避止義務とは競合他社との競争や機密の流出を回避するため、フランチャイズ加盟店に対して一定期間や一定エリア内で同業種の起業や経営を禁止するものです。
競業避止義務がある場合、自社と同業種のフランチャイズへ加盟したり複数契約をしたりすることは困難です。
Q. 「競業避止義務」がある場合、別の本部のフランチャイズに加盟することは絶対にできないのでしょうか?
A. 一般的には、現在加盟している本部と「直接競合する業態」でなければ問題ありません。例えば、コンビニを経営しながら、全く別ジャンルの「学習塾」や「ハウスクリーニング」に加盟することは可能です。ただし、契約書によって範囲が異なるため、新しい事業を検討する際は、現在の契約内容を法務担当者や専門家と再確認することをおすすめします。
Q. 異業種への参入でリスク分散をしたいのですが、自社のスタッフでも運営は可能ですか?
A. はい、可能です。フランチャイズの最大のメリットは、未経験者でも運営できるようにマニュアル化されている点にあります。本業の閑散期に合わせて人員をシフトさせたり、若手社員に新規事業の責任者を任せて育成の場としたりするなど、法人のリソースを有効活用しながらリスク分散を図る企業は非常に多いです。
Q. リスク分散のために「複数の異なるブランド」に加盟する場合、管理コストが膨らみませんか?
A. 確かにブランドごとに報告義務やロイヤリティ計算、オペレーションが異なるため、管理部門の事務負担は増える傾向にあります。そのため、法人の場合は「1つのブランドで複数店舗を持つ(マルチユニット)」か、あるいは「異なる業種でも管理システムが似ているものを選ぶ」など、管理工数を抑える工夫が成功の鍵となります。
Q. 景気後退局面でも強い、リスク分散に向いたフランチャイズ業種はありますか?
A. 一般的には「生活必需品」や「ストック型ビジネス」が強いとされています。例えば、高齢者向けの配食サービスや訪問介護、あるいは景気が悪くなると需要が増える「買取業」などは、本業が景気に左右されやすい業種(建設や不動産など)の法人にとって、優れたリスクヘッジ先となります。




【注釈】
※1 リユース経済新聞( https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_5804.php)
※2 厚生労働省( https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001099975.pdf)
日経コンパス( https://www.nikkei.com/compass/industry_s/0901 )
※3 株式会社AZWAYによるネットアンケート『「2024年にチャレンジしたいこと」1位:健康・美容、2位:スキル取得・向上、3位:副業、4位:運動・筋トレ』
( https://azway.co.jp/media/challenges-2024/)