フランチャイズ経営は初期投資のための資金さえあればノウハウを持っていなくても始められるので人気が高いビジネスです。ここではそのフランチャイズにおける出口戦略として、売却することは可能か?をテーマに解説していきます。ぜひ参考にしてください。
このページでは、フランチャイズ加盟店の売却・譲渡を検討しているオーナーに向けて、出口戦略としての売却の可否や具体的な進め方を解説しています。
「契約上売却ができなかった」「売却後にトラブルになった」という事態を避け、スムーズに事業を譲渡するための基礎知識が学べる内容です。
フランチャイズを売却することそのものに関しては、決して難易度が高いものではありません。むしろフランチャイズの持つネームバリューやビジネスモデルのわかりやすさなどから交渉をうまく進めることができ、買い手探しに困ることはあまりありません。フランチャイズ売却におけるハードルはそのビジネスの内容よりも契約面・手続き面にあります。フランチャイズは本部との相対契約になりますので、ビジネス環境の現状での第三者への売却・譲渡はその契約内容によって異なります。中にはオーナー変更(譲渡)を認めないような契約もありますので、そのような契約内容であれば売却ハードルは一気に高くなります。
前述の通り、契約内容によっては売却ができないような可能性もありますので、売却を検討する前に契約内容の確認を行いましょう。前提として「譲渡後も同じビジネス環境が再現できる」ことがマストになりますので、仕入れや販売、広告宣伝などを今まで通り行えるかどうかは必ず確認し、前提情報として整理しておかなければいけません。これがうまくいかない場合、一度成立した譲渡契約を取り消されてしまう恐れもあります。
先に解説した通り、まずは契約内容として第三者への譲渡が可能かどうかを確認・整理する必要があります。契約書面の解釈によっても可否が変わってくる恐れもありますから、本部側ときちんと協議し事前の承諾を得ておくと安心です。
譲渡ができるという前提の整理が完了したら、買い手を募集します。仲介業者に依頼するという方法もありますが、高額の手数料が必要になります。そのため小規模M&Aのマッチングサービスを利用し自分で交渉するという方法もあります。
複数の買い手候補からアプローチを受けたら、その中の1社との独占交渉に入ります。その際には「基本合意書」を締結し、譲渡に関する基本的な取り決めを行います。なお、その後に発覚した情報などにより条件が変更になる可能性がある点に注意しておきましょう。
M&Aを行うにあたっては、事業面や財務面などに瑕疵がないかを調査する「デューデリジェンス」を行います。税理士や会計士などの専門家に依頼し、事業上のリスクや簿外債務の有無などについて手続き・調査を行ってもらいます。
基本合意書とデューデリジェンスの結果に基づき最終的な条件交渉が完了したら、最終的な譲渡契約書の締結を行います。譲渡代金の決済などについても取り決め、両者が調印することにより売却が成立します。
契約締結が完了したら具体的な譲渡手続きを進めます。通常の事業譲渡と異なる点にFC本部が関わってくる点が挙げられますが、それ以外の手続きに関しては通常の事業譲渡・事業売却と大きく変わることはありません。
フランチャイズの契約はフランチャイザーとフランチャイジーの相対契約ですので、それ以外の第三者に権利を移転させる手続きとなる場合、もとの契約において定められている違約金を支払う必要がある可能性があります。もとの契約を解除し譲渡先が新たに契約するという取り扱いになった場合、もとの契約は契約満了前の途中解約として取り扱われる可能性があるためです。このあたりの支出も踏まえて売却代金を検討しなければ、売却により得られる利益が減ってしまうので注意が必要です。
フランチャイズ契約においてはさまざまな取り決めが定められることになりますが、契約に特記していなければ、これらの条件をそのまま売却先に引き継げる保証はありません。ロイヤリティの有無やその金額設定、保証金の金額、賃貸契約における敷金や礼金の取り扱いなど、場合によってはもとの契約と異なる条件で引き継がなければならない可能性があります。そうなると買い手としては「事前に聞いていた話と違う」となってしまう恐れがありますので、必ず事前に取り扱いについて確認しておく必要があります。
事業譲渡における「競業避止義務」とは、一定期間・一定の競合エリア内において、譲渡が成立した事業と同じようなビジネスを行わないことを売り手が誓約するものです。属人的なビジネス運用になっていたとして、譲渡後に同業を同エリアで創業され顧客を引き抜かれてしまうと買い手が大変大きな損害を被ることになるため、こういった条項を織り込むことが通例となっています。その期間やエリアについては個別に協議して定める必要がありますが、必ず順守しましょう。
Q. 本部の承諾が得られない場合でも、強引に売却することは可能ですか?
A. 非常に困難です。フランチャイズ契約には「第三者への譲渡禁止」や「本部の事前承諾」が盛り込まれていることがほとんどです。無視して売却を進めると契約違反による解除や損害賠償請求の対象となるため、まずは本部との協議が不可欠です。
Q. 赤字の店舗でも売却できる可能性はありますか?
A. あります。店舗の立地や設備、ブランドのネームバリューに価値を感じる買い手がいれば、譲渡は可能です。特に「一から出店するよりもコストと時間を抑えられる」と考える企業や個人がターゲットになります。
Q. 売却時に本部へ支払う「名義書換料」や「譲渡承諾料」の相場は?
A. 本部によって異なりますが、数十万〜数百万円程度に設定されているケースが多いです。売却代金からこれらを差し引く必要があるため、手残りの金額を計算する際には必ず契約書で金額を確認しておきましょう。
Q. 売却後、別の場所ですぐに同じ業種の店を出してもいいですか?
A. 基本的にはNGです。「競業避止義務」により、一定期間(例:2〜5年)や一定範囲(例:同一市区町村内)での同業営業が禁止されるのが一般的です。違反すると売却契約そのものが白紙になったり、多額の賠償金を請求されたりするリスクがあります。




【注釈】
※1 リユース経済新聞( https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_5804.php)
※2 厚生労働省( https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001099975.pdf)
日経コンパス( https://www.nikkei.com/compass/industry_s/0901 )
※3 株式会社AZWAYによるネットアンケート『「2024年にチャレンジしたいこと」1位:健康・美容、2位:スキル取得・向上、3位:副業、4位:運動・筋トレ』
( https://azway.co.jp/media/challenges-2024/)