法人がフランチャイズで新規事業を立ち上げる場合、その新規事業内容によっては、「事業目的」の変更手続きが必要となります。
具体的には、これから始めようとしている新規事業の内容が、法人設立時に作成された定款に登録されている事業目的の内容と異なる場合には、事業目的の変更を行わなければならないのです。
また、もともとの事業を継続する場合であっても、事業内容が追加される場合には「追記」が必要です。
そして定款変更後は、法務局において「登記」の手続きまで行う必要があります。
これらの手続きの具体的なやり方や流れについては、後ほど「定款の事業目的変更方法」でくわしく解説します。
このページでは、法人がフランチャイズへ加盟し、新しいジャンルの事業をスタートする際に発生する法的な手続きについて解説しています。
「うっかり手続きを忘れて事業が開始できない」といった事態を防ぐため、経営者が最低限押さえておくべき法的手続きの全体像がわかる内容です。
新規事業が定款の事業目的の内容と異なる場合は事業目的の変更が必要であることがわかりましたが、この変更手続きは、許認可申請がある場合にも必須です。
許認可が必要な分野の新規事業をスタートさせる場合は当然、許認可申請の手続きをしなければなりませんが、新規事業の内容が定款にない状態では許認可が下りないのです。つまり、新規事業をスタートさせることができません。
ちなみに、許認可が必要な事業には以下のようなものがあります。
新規事業を立ち上げる際には許認可申請が必要かどうかもチェックし、事業目的の変更手続きと併せて滞りのないように進めましょう。
新規事業フランチャイズで定款の事業目的を変更・追加する場合の流れを、以下にまとめました。
1.目的の決定
まずは、どのような事業目的を定款に記載するか決定します。
2.株主総会での承認
株主総会を開催し、定款の事業目的を変更することを株主に伝えて決議を取ります。決議は「特別決議」でなければならず、発行済議決権株式の総数の2/3以上の賛成が要ります。
3.登記の変更
株主総会で議決されたら、次は登記の変更です。株主総会の議事録を作り、管轄の法務局に行って手続きをします。「定款変更の効力が発生した日から2週間以内」という期限があるので注意しましょう。
Q. 定款に似たような事業目的がある場合でも、新しく追加する必要がありますか?
A. 既存の事業目的が包括的な内容であればそのまま使えることもありますが、許認可が必要な事業(介護やリサイクルショップなど)の場合、行政から「具体的な文言」での記載を求められるケースがほとんどです。事前に本部の担当者や行政書士に確認するのが確実です。
Q. 株主総会は必ず開かなければなりませんか?
A. はい、定款変更は会社の根本規則を変えることなので、株主総会の「特別決議」が必要です。一人社長の会社であっても、形式上は株主総会議事録を作成し、適切に決議を行った記録を残しておく必要があります。
Q. 手続きにかかる費用(登録免許税など)はどのくらいですか?
A. 事業目的の変更登記には、登録免許税として3万円かかります。司法書士に依頼する場合は、別途数万円程度の報酬が発生するのが一般的です。
Q. 登記の変更期限(2週間)を過ぎてしまったらどうなりますか?
A. 期限を過ぎても登記自体は可能ですが、「過料(罰金のようなもの)」を科されるリスクがあります。新規事業の立ち上げスケジュールに合わせて、迅速に手続きを進めることが大切です。
新規事業の手続きと聞くと煩雑なものを思い浮かべがちですが、あらかじめ内容や流れを把握しておけば、そこまで困難なものではありません。ただし、上で触れたとおり期限などもあるので、スムーズに新規事業をスタートできるようしっかりおさらいしておきましょう。




【注釈】
※1 リユース経済新聞( https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_5804.php)
※2 厚生労働省( https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001099975.pdf)
日経コンパス( https://www.nikkei.com/compass/industry_s/0901 )
※3 株式会社AZWAYによるネットアンケート『「2024年にチャレンジしたいこと」1位:健康・美容、2位:スキル取得・向上、3位:副業、4位:運動・筋トレ』
( https://azway.co.jp/media/challenges-2024/)