カフェの経営は、様々ある飲食店の経営のなかでもとくに高い人気を誇ります。「憧れのおしゃれカフェを開きたい!」という人も多いのではないでしょうか?フランチャイズなら、経営やコーヒーに関するノウハウに不安がある人でも、比較的リスクを抑えて開業することができます。
2011年には42万tだった国内のコーヒー消費量は、2020年には43万tまで増加。長期的に見て拡大傾向にあります。コーヒーは常用性が高いドリンクのためファンが離れにくい傾向にあることも、カフェフランチャイズの特徴です。
そもそもカフェやレストランのような飲食業は、開業してから顧客が定着して経営が安定するまで長い期間が必要とされており、それまでの間は赤字経営になってしまうことも珍しくありません。そのため、カフェを開業して健全な経営を目指すためには、開業から可能な限り早い段階で顧客の定着や店舗の認知度向上を叶えることが必須です。
フランチャイズはカフェ経営のノウハウや分析技術を備えており、合理的な経営プランによって安定化を目指していくことができます。
近年のカフェ人気もあり、成長を続けてきたカフェ業界。その業績は緩やかではあるものの増加傾向にあり、大手各社が店舗数を拡大しています。業界大手のスターバックス、ドトールは、いずれも3,000店舗を突破しました。
2020年に入ってコロナの影響による逆風も吹きましたが、翌年後半からは経済再開の動きにより需要回復の傾向を見せています。今後も根強いカフェ人気に背中を押され、需要はさらに回復していくことが期待できるでしょう。
ふらっと入る人も多いカフェは、立地がとても重要です。しかし、個人で開業する場合、好立地を確保するのは簡単なことではありません。その点、フランチャイズでは本部に良い物件を紹介してもらえることも多いほか、居抜き物件などを使えるプランが用意されていることもあります。
また、個人でカフェを開業する場合はコンセプトの考案や空間デザイン、メニュー作成などすべてを自分でやらなくてはならず、準備期間が相当かかります。一方フランチャイズなら本部がサポートしてくれるので、開業までの時間もぐっと短くなるでしょう。
さらに、チェーン店がいくつもあるような知名度の高いカフェなら、開業前の告知や集客活動をそれほどせずともある程度の客入りが期待できます。
法人としてカフェフランチャイズ(FC)に参入する場合、個人での開業にはない、明確な優位性と独自の戦略が存在します。カフェFCを単なる事業ではなく、「新規事業」として捉え、既存の経営資源を最大限に活用することで、より早く、より強固な基盤で事業を軌道に乗せることが可能です。
法人としてカフェFCに参入する際の最も大きな強みは、信用と経営資源の活用にあります。
資金調達の優位性カフェFCへの投資は、単に収益を生むだけでなく、法人全体の財務戦略の一環としても機能します。
初期投資の償却を通じた節税効果店舗の内装工事費、厨房機器、什器・備品などの初期投資費用は、減価償却費として数年にわたって経費計上できます。特に利益が出ている法人にとっては、この減価償却費が利益を圧縮し、法人税の負担を軽減する効果を生み出します。
初期のキャッシュアウトは大きいものの、会計上はコストとして計上できるため、法人全体としての手元資金を守りながら事業拡大を進めることが可能です。
損益通算による財務リスクのヘッジ新規事業であるカフェFCが、開業初期に赤字となった場合、その赤字を既存事業の黒字と相殺することができます。これを「損益通算」と言います。
これにより、既存事業が好調なうちに新規事業のリスクを吸収し、法人全体として支払うべき税金を最適化することが可能になります。多角化経営を目指す法人にとって、安定した利益基盤を守りながら新たな柱を育てる戦略として非常に有効です。
法人としてカフェフランチャイズに参入する大きな魅力の一つは、既存事業の経営資源やノウハウを新たなカフェ事業に活用し、相乗効果(シナジー)を生み出せる点です。
例えば、不動産賃貸業を営む法人がFCに加盟する場合、自社が保有する空きテナントや遊休地を店舗として活用すれば、不動産事業の課題である空室リスクを解消しつつ、カフェ事業の収益も得られる「一石二鳥」の戦略が実現します。
また、ITソリューション企業であれば、自社開発した顧客データ分析システムや予約管理システムをFC店舗に試験的に導入し、その効果を実証できます。このカフェ店舗は、単なる収益源としてだけでなく、既存IT事業の「ショールーム」や「ライブデモサイト」としての役割を果たし、新たな顧客獲得の強力な事例となるでしょう。
このように、カフェFCは多様な業種と組み合わせやすく、既存の経営資源を有効活用することで、個々の事業単体では生み出せない付加価値を法人全体にもたらします。
知名度やブランド力を活用でき、本部のサポートも受けられるフランチャイズでのカフェ開業ですが、逆に言えば、経営の自由度は高くないということです。「自分が得意な料理をメニューとして出したい!」「こだわりの内装に作り上げたい!」など独自の希望がある場合には、その通りにできない可能性が高いためフランチャイズ開業はデメリットになり得ます。
また、先に触れたとおりカフェ人気は根強く続いていくことが予想され、コンビニのカフェやファーストフード店といった他業種のライバル勢も強い現状があります。競争の激化も頭に入れておく必要があるでしょう。
フランチャイズによってカフェを開業しようとする場合、すでに店舗を設置できる土地や店舗用の物件を持っているのか、それとも土地の取得から考えるのかといった前提条件で開業にかかる金額が大きく変わります。またすでに物件を取得している場合でも、その機能や内外装がカフェの営業に適していなければ改修・改築の費用がかかります。
加えて、フランチャイズを利用すること自体に発生する費用についても考えなければなりません。
フランチャイズでの開業や経営におけるコストとしては、主として以下のようなものが想定されます。
開業時点でかかる費用として、土地や店舗の取得費を除けば、フランチャイズへの加盟料や保証料、店舗を適正化するための費用などが発生します。またフランチャイズのマニュアルやメニューを理解するための研修費がかかることもあるでしょう。
その他、宣伝費や規模によっては従業員を雇用する人件費が発生する可能性が考えられます。
開業後にかかる費用としては、フランチャイズ本部へ支払う権利料(ロイヤルティ)が挙げられます。
その他にも店舗の維持費や人件費、食材の仕入れなどにかかるランニングコストといったものがあります。
カフェフランチャイズに加盟する際、成功の鍵となるのは「本部からのサポート体制」です。各フランチャイズ本部が提供する支援は多岐にわたり、加盟前の研修から店舗オープン後の定期訪問、販促支援に至るまで、一貫した体制が整えられています。
まず、ほとんどのフランチャイズでは、開業前に最低2週間から1ヶ月程度の研修期間を設けています。
店舗運営、接客、調理オペレーション、在庫管理、さらにはマーケティング戦略まで、成功事例を基にした業務マニュアルが用意されています。
実際の店舗での実習や模擬接客を通じて、未経験者でも即戦力となるスキルを身につける機会が提供されます。
SNSマーケティング、デジタル集客、オンライン予約システムの活用方法など、時代のニーズに合わせた最新の研修も実施され、常にアップデートされた知識が習得できるようになっています。
立地はカフェ経営の成功に直結する重要な要素です。
本部は独自の市場調査データや過去の成功事例を元に、駅前、オフィス街、商業施設内など、集客力の高い立地情報を加盟希望者に提供します。
交渉に不慣れな加盟者のために、物件契約に関するアドバイスや交渉サポートを行い、理想的な物件取得を実現します。
オープン直前には、プレオープン期間を設けた実践的なトレーニングが行われ、開業後も以下のようなサポートが提供されます。
本部のスーパーバイザーが定期的に店舗を訪問し、経営状況のフィードバックや改善点の指導を行います。
オープンキャンペーンや定期的なイベント企画、チラシやSNS広告の制作支援が受けられ、加盟店の集客力向上に直結します。
POSシステム、予約管理システム、在庫管理システムなど、最新のITツールを導入することで、日々の業務効率を高め、データに基づいた経営判断が可能となります。
各ブランドは、統一された品質を保つための詳細な業務マニュアルを提供しています。
店舗全体のプロセスが標準化され、全店舗で均一の品質とサービスが維持されるため、加盟者は本部のノウハウをそのまま実践することができます。
店舗ごとの個別の課題に対し、電話やオンラインミーティングでのフォローアップ体制が整えられており、トラブル時の迅速な対応が期待できます。
フランチャイズ経営で失敗しないために注意すべきポイントは、そもそもフランチャイズごとの契約内容やエリア情報を吟味して、実際に自分がその場所でカフェ経営をスタートさせた場合に発生する諸費用や仕事の流れを事前に考えることです。
仮に加盟料や保証料が安かったとしても、ロイヤルティの利率が高く設定されていると、営業利益が損なわれて薄利多売になるかも知れません。あるいは高額な初期費用を融資でまかなった場合、後々の返済が負担になるおそれもあります。
まずは個人経営・フランチャイズにかかわらず、事前にしっかりと事業計画を立て、キャッシュフローをシミュレーションすることが重要です。
そのうえでフランチャイズを検討する場合は、フランチャイズ本部のサポート体制に注目し、メリットや費用対効果のバランスを冷静に考えましょう。




【注釈】
※1 リユース経済新聞( https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_5804.php)
※2 厚生労働省( https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001099975.pdf)
日経コンパス( https://www.nikkei.com/compass/industry_s/0901 )
※3 株式会社AZWAYによるネットアンケート『「2024年にチャレンジしたいこと」1位:健康・美容、2位:スキル取得・向上、3位:副業、4位:運動・筋トレ』
( https://azway.co.jp/media/challenges-2024/)